CLIP CLIPPED!
¥60,000 / 45m2
空室が出ました。すぐ入れます。多分、あなたがその気なら。
熊本地震のとき、大家さんはこのアパートを壊そうとしていた。
まあ、誰だって「築古」という単語にうんざりする瞬間はある。
けれど結果的には壊されなかった。
そして引き渡しの日、大家さんがぽつりとこう言った。
「壊さなくてよかった」
その言葉が、なぜかずっと残っている。
たぶん、“ギリギリのところで生き延びた”って、建物にも人にも、ドラマがあると思いたいからだ。
DIY可のリノベーション物件です、なんて言うと、最近ありがちに聞こえるけど、
本当にやれる物件って、そんなにない。
この部屋はちゃんと“やれる”。
住んでもいいし、趣味の部屋にしてもいいし、謎のアトリエにしても誰も文句は言わない(たぶん)。
※ただし、店舗利用はできません。そこはルール。
2DKを1Rに。骨組みまで戻して再構築。
壁はラワンベニア、床は下地のまま——あとは、あなたの自由です。
つまり、「未完成」という名の余地が残っている。
「ここに棚をつけたらどうなるか」
「この柱に時計をかけてみたらどうだろうか」
そんなふうに、“問いかけながら暮らす”ことができる。
余談だけど、この柱、服をかけるにはちょうどいい高さだし、
強度次第ではハンモックも夢じゃない。
夢といえば、この物件にはちょっとだけ“秘密基地感”がある。
昔のままのタイルとか、すりガラスのドアとか、そういうやつだ。
ターゲットは、こだわりのある若い女性。
というか、「古いアパートはオジサン向け」みたいな固定観念を、一回バラしたい。
セキュリティ面もそれなりに備えていて、
録画機能付きのTVモニターフォンなんてものまである。
しかも1階は、大家さんの親戚がやってる車屋。
いざとなったら「すみません、あの…」と駆け込める安心感がある。
外観もちゃんと手入れされて、モノトーンでシック。
中身とのギャップも悪くない。
ちなみに、ペットも相談可。
犬か猫かは、たぶん交渉次第。鳴き声の大きさと大家さんの気分による。かもしれない。
駐車場は1台分、家賃に含まれてます。
地味だけど、これって結構ありがたい。
場所は下南部。
「味千ラーメン」の角を曲がった先、という説明でわかる人には、それだけでじゅうぶん。
ちなみに——22日の晩ごはんは「味千ラーメン」で決まり。
異論は、受け付けない。