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全国リノベ探報

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生活環境の変化から広がる将来の暮らしのビジョン

2024.05.12

奥さんと長女、長男の4人家族+犬1匹に猫2匹と暮らす、店舗デザインをメインとした建築設計を生業にする岡村さん。
お子さんの進学を機に移り住んだエリアで、築40年ほどの一軒家に手を加えながら好きな家具を置き、自然に近い環境をフルに楽しんで生活されているお家にお邪魔しました。


岡山市内、岡山三大河川のひとつである旭川の河川敷ほど近く。住宅が建ち並ぶなかの木造2階建ての一軒家に案内いただくと、黒い毛並みの人懐こい岡村家の愛犬“くり”ちゃんがお出迎えしてくれた。
(取材時、猫のミントとチコリは来客があると行ってしまうというキャットタワー付き子ども部屋のある2階から降りてきてくれなかった。人見知りなのか警戒心が強いみたい)


愛犬の“くり”ちゃん


ミント(右)とチコリ(左) (写真:ご本人提供)

学生時はプロダクトデザインを学んでいたという岡村さん。建築設計の道に進んだのは、現在のお仕事のパートナーの方に友人の紹介で出会ったことがきっかけだそう。

古い一軒家だというけれど、天井が高いお部屋。よくよく見ると天井を外したような跡が。
もしかしてこのお家は、DIY可能な物件なのだろうか?

「そうですね。探してもらったのがこのエリアにある不動産屋さんだから地元の物件に強くて、ネット上で募集を出してないようなものも見せてもらえたんです。この物件を見せてもらった時に、内装を触りたいんですけど…って言ったら、不動産屋さんは『大家さんも高齢だし良いって言ってくれるんじゃないか』という感じだった。それに設計の仕事をしているので、『そういう人だったら良いですよ』と改装OKをもらえました」


あらわしになった柱と梁


リビングの棚もあつらえたもの。テレビ横の窪みはくりちゃんが噛んだ跡だそうだが、岡村さんは「自分たちで直せるからね」とあっけらかん。


そうして出会った物件は、2階建ての一軒家・駐車場付きで家賃は6万円。
「ただ、ここまで変わると思っていなかったと思う(笑)」と岡村さん。
キッチンもぜんぶつくり変えて、天井を取り、壁・天井を自分たちで塗ったのだとか。
退去するときは、どこまで残すかなどを大家さんと相談することになっているとのこと。

「元々の内装でも住める状態ではあったんですけど触りたくて。自分たちで作業したのは解体と塗装。塗装は奥さんも一緒に。あとは自分も手伝いつつ、友だちの大工さんに工事してもらいました」


全面的につくり変えたキッチン


いつ頃から住まわれているのか伺うと、「引越してきてから8年くらい。引越しする前、娘が通っていた保育園が今住んでいる辺りだったんですが、当時住んでいた地域は娘の保育園の友だちと小学校の学区が違くて。せっかくだし、住んでいた部屋も手狭だったから探したらこの家が見つかって。ギリギリ、小学校の入学前に引っ越してきました」と岡村さん。

お子さんの進学事情によって選んだという地域。
住み心地はどうなのだろう?

「エリアがいいですね。すぐ歩いたら旭川でしょう。自転車で10分もかからず岡山城にも着く。走っても15分〜20分で、朝の1時間ランは岡山城まで行ってぐるっとまわって帰ってきても40〜50分なんです。ずっと河川敷で信号もないし。北に少し行ったら山があって散歩もできるし、最近は、くりと山でトレイルランをしている。自然が近いのにまちが近くて自転車で行けるんです。高速のインターも近いし、アクセスが最高です」

「古くから住む人が多いエリアでもあるけど、庭付きの家が多かったり、ぎゅうぎゅうに住んでいる感じはしない。子どももいるし犬の散歩もするから、ご近所との距離感は顔を合わせると挨拶をする、顔見知り程度。僕にとっては気楽で良いですね」と続く。


お散歩コースの旭川河川敷。くりちゃんとのお散歩に同行させてもらった。




手を加えられる住まいで、こだわったところや大切にしたことは?

「あんまり綺麗にしすぎないように、という考えはありました。椅子とかテーブルとか、家具が好きなので空間はあえて手作りっぽくしたかったというか。そういう空間に家具を置きたかった。フローリングもビスが見えるように留めてもらったんですよ。巨匠と呼ばれる方たちの自邸って、意外と綺麗すぎない。散らかっていたりもする。なのに、いい家具がある。当時そういう空間に憧れがありましたね」

そう話す岡村さんの家には、ハンス・J・ウェグナーのYチェアや、敬愛するという建築家 中村好文さんデザインのTHUMB CHSIR(サムチェア)やKITCHEN STOOL(キッチンスツール)、ジオ・ポンティのSUPERLEGGERA(スーパーレジェーラ)など、多くの名作チェアが並ぶ。

存在感あるダイニングテーブルは、自分でデザインして友人の家具屋さんにつくってもらったという。


ダイニングの様子


ギターの横にあるのがKITCHEN STOOL(キッチンスツール)


SUPERLEGGELA(スーパーレジェーラ)


「下の子、長男が高校を卒業するタイミングで僕の地元の長崎に帰ろうという話は、奥さんとしています。ただ、仕事は岡山にもあるし奥さんの実家も岡山だから、もしかしたら奥さんの実家を僕らで受け継いで2拠点暮らしの可能性もあるかなと」

近い将来は自身のルーツの場所に戻る構想があるという岡村さん。
今後、何を大切にしながら暮らしたいと考えているか。

「トレイルランの時に山で食べる補食のトレイルバーを自分で作るのが好きで。その延長で好きが高じて、今では自分で天然酵母から作るパンを焼いているので仕事につなげられたらいいなと」

「ほかにも、犬と山を走っているので、犬とのトレイルランで使える軽量化を図ったグッズのブランドがつくれたらいいな、とか。日本はアウトドアスポーツのビジネスってまだ弱いと思う。そういった、スモールビジネスだけど、自分がおもしろいということをやりたい。」

今の生活スタイルからのつながりで、やりたいことが広がっていると教えてくれた。


取材前にちょうど作っていたという寝かせている最中のパン生地


キッチンに並ぶスパイスの数々

暮らしというものは、仕事も遊びも趣味のことも、すべてが混ざりあったもの。
岡村さんのライフスタイルは、それを体現しているように感じた。

住むエリアが変わることで、より深まった趣味。それが今後やりたいことのビジョンにもつながるという好循環。生業が変わったっていい。
生活環境を変えるということは、そんなターニングポイントにもなり得ると気付かされるのだった。

【物件概要】
特徴: 一軒家/賃貸暮らし/DIY可/自然の近く/アクセス良好
所在地:岡山県岡山市北区北方
築年数:約40年
構造・規模(階数):木造・2階建

【特記なき写真・文】ワンダー編集部

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